玉桂寺(読み)ぎよくけいじ

日本歴史地名大系 「玉桂寺」の解説

玉桂寺
ぎよくけいじ

[現在地名]信楽町勅旨

勅旨ちよくしの南、大戸だいど川右岸の高田たかたにある。秋葉山法皇庵十輪院と号し、高野山真言宗。本尊弘法大師。寺伝によれば、淳仁天皇が天平宝字五年(七六一)行基に命じて建立させたという。「興福寺官務牒疏」に保良ほら寺とあるのが当寺の前身とされる。俗に「勅旨の弘法」として遠近の信仰を集めた。寺蔵の木造阿弥陀如来立像は像内に納入品があり、多くは結縁交名であるが、そのなかの源智阿弥陀如来造立願文によれば、法然の弟子源智が建暦二年(一二一二)一二月二四日法然の一周忌に同像を造像し、数万人の結縁者の極楽往生を願ったことが知られる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の玉桂寺の言及

【法然】より

…墓堂が建てられ,忌日には知恩講がおこなわれ,多くの帰依者が集まった。《一枚起請文》を授けられた源智は師恩に報いんがために,3尺の阿弥陀仏像の造立を発願し,多数の念仏者の協力を得て12年暮に完成した(滋賀県甲賀郡信楽町の玉桂寺に現存)。1227年(安貞1)延暦寺の衆徒が墓堂を祇園社の犬神人(いぬじにん)に破壊させたが,門弟らは直前に廟墳をあらため,遺骸をひそかに西郊へ移した。…

【百万遍念仏】より

…100人は実数ではなく大集団をあらわす数である。鎌倉初期に百万遍念仏が行われたことは,滋賀県信楽(しがらき)町玉桂寺の阿弥陀仏像胎内文書で明らかであるが,後世のような大念珠が用いられていたかは不明である。浄土宗で攘災のためにこれを行った最初は知恩寺世善阿空円と伝える。…

※「玉桂寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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