玉蔵院(読み)ぎよくぞういん

日本歴史地名大系 「玉蔵院」の解説

玉蔵院
ぎよくぞういん

[現在地名]浦和市仲町二丁目

旧中山道に近接した浦和宿の中央に位置する。宝珠山玉蔵院延命えんめい寺と号し、真言宗豊山派。本尊大日如来。寺伝では弘法大師開山とし、印融を中興開山とする。印融は弘法大師の再来とまでいわれた、室町時代に関東で活躍した真言宗の高僧。「杣保隠遁抄」の奥書に永正一一年(一五一四)一一月二四日の年紀に続いて「於武州足立郡浦羽延命寺記之了」とあり、印融は同書を延命寺で著している。玉蔵院世代記(豊山全書)は印融を中興開山としているが、奈良県桜井さくらい市の豊山派総本山長谷はせ寺所蔵の「中性院灌頂三巻式」の奥書をみると、文明四年(一四七二)正月二日に当院で暢栄が同書を書写しており、暢栄と印融の関係については今後検討の必要があろう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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