日本歴史地名大系 「甘地蔵」の解説 甘地蔵いもじぞう 愛媛県:越智郡上浦町瀬戸村甘地蔵[現在地名]上浦町瀬戸向雲(こううん)寺(曹洞宗)境内にあり、甘藷伝来の功労者下見(あさみ)吉十郎(一六七三―一七五五)を祀る。高さ約〇・五メートルの普通の石地蔵で、台石の左面に下見吉十郎の文字が加刻されている。県指定史跡。吉十郎、諱は秀誉、大三島瀬戸(せと)村の生れ。先祖は名族河野氏の出で、天正一五年(一五八七)河野通直が没落したとき帰農したという。正徳元年(一七一一)六十六部となって日本回国の旅に出た。同年一一月二二日薩摩国日置(ひおき)郡伊集院(いじゆういん)村の土兵衛の家で甘藷が飢饉に耐えるものであることを知り、国禁を犯して郷里に持ち帰り、付近の農民に栽培法を教え凶荒に備えさせたと伝えられる。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by