甘崎城跡(読み)あまざきじようあと

日本歴史地名大系 「甘崎城跡」の解説

甘崎城跡
あまざきじようあと

[現在地名]上浦町甘崎

内海交通の要路にあたる鼻栗はなぐり(鼻繰)瀬戸の北部、字水場みずばの沖約一五〇メートルに浮ぶ通称古城ふるしろ島に構えられた雄大な海賊城で、天崎城・荒神こうじん城・きし城ともいう。現在、城跡の海底には、大小三二条に及ぶ直線石垣遺構を有し、その延長は約七〇〇メートルに達する。また、岩礁の上には整然とした桟橋用の穴跡が多数みられる。古図によると、標高約一八メートルの丘に本丸・二の丸・三の丸があり、その麓の部分を高さ約四―五メートルの石垣が取り囲んでいる。享保末年の「越智島旧記」にも「古城山大廻り五丁五拾間、但、石垣之分惣長四丁弐拾八間、石垣之高サ壱丈四尺、庄屋所より三丁、潮中湛より船渡」と記されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の甘崎城跡の言及

【上浦[町]】より

…南東部の伯方(はかた)島との間の鼻栗瀬戸には,1979年本四連絡橋尾道~今治ルートの大三島橋(328m)が開通しており,東部の広島県生口(いくち)島との間に建設されている多々羅大橋を含む同ルートの早期全通が期待されている。古くから内海交通の要衝として栄え,とくに中世の村上水軍との関係が深く,古城島にある甘崎城跡はその居城であった。向雲寺境内の甘藷(いも)地蔵は江戸時代,この地にカンショを普及させた下見吉十郎をまつったものである。…

※「甘崎城跡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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