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生命倫理学 せいめいりんりがくbioethics

翻訳|bioethics

知恵蔵の解説

生命倫理学

生命科学と医療技術の進歩によって、様々な生命現象を技術的にコントロールできる可能性が高まったことに伴い確立してきた学問領域。生命倫理学は、ヒトの生死遺伝子の仕組みなどの生命現象への技術的介入はどのような根拠によって、どこまで可能なのか、規制する法制度のあり方はどのようなものか、などを研究の対象とする。生命倫理は、他人に危害を加えない限り自己の決定は尊重されるべきであり、正当な理由なくして公的機関などにより制約されないという「自己決定権」の影響を受けて発展してきた。医療行為は、従来、病気の治療や健康に関する専門的知識を持った医者がそのあり方を一方的に決定してきたが、最近は治療が患者の健康や生活様式に関わる以上、その意思を反映する必要があるとして、医療現場への自己決定権が導入されてきた。しかし、生殖援助技術や遺伝子治療など生命科学の進展により、自己決定権の適用判断が困難な事例が生じてきた。例として、将来人間になる可能性を持ったヒト胚は権利の主体なのか、その権利は尊厳によって支えられるのか、あるいは提供者の所有物なのか、などの問題を挙げることができる。

(野口勝三 京都精華大学助教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について | 情報

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