生嶋村(読み)いくしまむら

日本歴史地名大系 「生嶋村」の解説

生嶋村
いくしまむら

市域中央部、生嶋庄近辺にあったと考えられる村。「類聚国史」天長七年(八三〇)二月一八日条に「生嶋勅旨田」とみえ、摂津国で米五〇〇石を支出して同勅旨田の開墾費用に充てている。建久九年(一一九八)一二月一六日に澄海が筆写した「摂津国河辺郡南条橘法園坊生嶋村大明神経也」との奥書をもつ大般若経巻一四〇がある(日本古写経現存目録)。嘉元二年(一三〇四)には勝尾かつお(現大阪府箕面市)へ寄進米を届けた村々のなかに生嶋村がみえるが(同年一二月一七日「寄進米上日記」勝尾寺文書)、この寄進米は浄土寺門跡が勝尾寺に与えるよう指示した同門跡領のたちばな御園年貢の一部とみられることから(同年五月一日「浄土寺門跡御教書案」同文書)、当村は橘御園に含まれていたと考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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