日本大百科全書(ニッポニカ) 「生野(兵庫県)」の意味・わかりやすい解説
生野(兵庫県)
いくの
兵庫県のほぼ中央部、朝来郡(あさごぐん)にあった旧町名(生野町(ちょう))。現在は朝来市の南部を占める一地区。旧生野町は1889年(明治22)町村制の施行によって誕生。2005年(平成17)朝来、山東(さんとう)、和田山(わだやま)の3町と合併、市制を施行して朝来市となる。播但(ばんたん)山地の分水界に位置し、地勢は険しく、市川が旧町域の中央部を南西流する。また、日本海にそそぐ円山川(まるやまがわ)の水源が円山付近にある。JR播但線と国道312号、429号、播但連絡道路が北上する但馬(たじま)への玄関口にあたる。生野鉱山とともに発展した町で、16世紀に初めて銀が採掘され、鉱山町が成立し、近世には幕府直轄領として代官所が置かれた。1973年(昭和48)に鉱量枯渇で閉山して以後、人口減少が著しい。工業団地を造成して企業誘致に努めるとともに、自然と生野銀山の施設を生かした観光地への転換を図っている。
[大槻 守]
『太田虎一著、柏村儀作校補『生野史』全3冊(1962~1966・生野町)』
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