生魂神
いくむすびのかみ
高御魂(たかみむすび)、神魂(かむむすび)など多くの魂神(むすびがみ)のなかの一神。「むす」は生産の意で、物を生産する能力を神格化したもの。農耕社会では、物の生産促進に関心が高いところから、多くの魂神が誕生したのであろう。宮中では御巫(みかむなぎ)が奉仕する八神のなかに入り、また天皇や中宮のための鎮魂祭(たましずめのまつり)の祭神ともなっている(延喜式(えんぎしき))が、これは衰える魂に活力を与えるには、生産する神がふさわしいと考えられたからであろう。
[守屋俊彦]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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生魂神 いくむすびのかみ
古代の神。
「延喜(えんぎ)式」にみえる神祇官(じんぎかん)八神のうちの一神。物を生産する能力を神格化したもので,天皇の守護神として宮中の鎮魂(たましずめの)祭などの祭神とされた。
出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内の生魂神の言及
【生魂】より
…ムスビとは,古く日本人がさまざまな霊威,威力(働き)を神聖なものと感得したことを示す。〈生魂神〉は,御巫(みかんなぎ)によって神産日(かみむすび)神,高御産日(たかみむすび)神,足産日(たるむすび)神などとともに,神祇官の八神殿奉斎神としてまつられ,天皇の魂を鎮め,あるいは活力の促進を祈る[鎮魂祭]にあずかる神々の一神であった。【大井 鋼悦】。…
※「生魂神」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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