産業合理化政策(読み)さんぎょうごうりかせいさく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「産業合理化政策」の意味・わかりやすい解説

産業合理化政策
さんぎょうごうりかせいさく

第2次世界大戦以前においては 1929年からの景気後退局面で商工省を中心に実行された「組織化」による合理化政策をさし,戦後においてはドッジ・ライン実行過程で論議され,1950年代に進められた経済自立のための合理化政策をさす。 (1) 前者にいう「組織化」は,ドイツの産業合理化運動に影響を受けた企業合同やカルテルによる産業組織の独占化であり,老朽化した生産設備を廃棄し効率的な生産設備で生産を行い,産業の平均生産性を改善しようとするものであった。商工審議会,臨時産業審議会での検討を経て造船,重電機,鉄鋼の各産業について合理化政策が策定され,34年には製鉄合同が実現した。また 31年の重要産業統制法,電気事業法も産業合理化を推進するための立法的措置であった。 (2) 戦後における産業合理化政策は 49年産業合理化審議会において検討され,50年6月石炭・鉄鋼の合理化案を皮切りに電力海運などを中心に進められた。また制度的・政策的条件整備も行われ,金融機関の整備と低金利政策財政投融資の実施,租税特別措置と補助金,輸入抑制と競争制限などがなされた。これら一連の合理化政策は経済成長の基盤整備という側面斜陽産業保護という側面をあわせもつものであった。

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