田んぼアート(読み)たんぼあーと

日本大百科全書(ニッポニカ) 「田んぼアート」の意味・わかりやすい解説

田んぼアート
たんぼあーと

水田キャンバスに見立て、色の異なる稲を使って巨大な絵を描き出すこと。葉や穂が緑や紫、黄色などに育つ古代米などの苗を、設計した配列に作付けして、成長したときに水田に巨大な絵柄や文字を浮き出させる。稲が成長するに従って鮮明な絵柄が現れ、時期により色合いの異なるアートが稲刈りまで観賞できる。

 1993年(平成5)に村おこしの試みとしてはじめた青森県田舎館(いなかだて)村が発祥地である。田舎館村でこれまでに取り組んだ絵柄は、岩木山モナリザ、戦国武将とナポレオン花魁(おいらん)とハリウッドスターなどで、村には毎年10万~20万人もの見物客が訪れる。当初、使用する稲は3種類3色だけであったが、青森県産業技術センター農林総合研究所が開発した新種の赤や白、橙(だいだい)色などの品種が加わり、2013年には9種類7色となった。20回目の2012年からは会場が2か所になり、2013年7月には第2会場近くに弘南(こうなん)鉄道弘南線「田んぼアート駅」が開業した。

 全国には田舎館村のほかにも大小あわせて100か所以上、田んぼアートに取り組む地域がある。自治体農業協同組合による協力をはじめ、小学生などの稲作や田植え体験として授業に取り入れられるなど、活動の広がりがみられる。

[編集部]

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