田舎館(読み)いなかだて

日本大百科全書(ニッポニカ) 「田舎館」の意味・わかりやすい解説

田舎館(村)
いなかだて

青森県中央部、南津軽郡津軽平野の南部にある村。JR奥羽本線(川部駅で五能線を分岐)、弘南(こうなん)鉄道、国道102号が通じる。弥生(やよい)時代の田舎館遺跡垂柳(たれやなぎ)や田舎館、高樋(たかひ)地区など、村内にある弥生時代の遺跡の総称で、とくに垂柳遺跡をさす)で知られる。1956年(昭和31)ごろ村内の耕地整理の際、田舎館、垂柳地区から発掘された土器に稲もみの圧痕(あっこん)があり、また焼き米も発見された。さらに1981年には垂柳地区から東北地方では初めての弥生中期の水田跡が発見され、この地方に紀元2~3世紀には稲作が行われていたことが証明された。浅瀬石(あせいし)川沿いにリンゴが栽培され、そのほかは水田地帯で津軽の米どころとなっている。面積22.35平方キロメートル、人口7326(2020)。

横山 弘]


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改訂新版 世界大百科事典 「田舎館」の意味・わかりやすい解説

田舎館[村] (いなかだて)

青森県中部,南津軽郡の村。人口8153(2010)。津軽平野南部に位置し,中央を西流する浅瀬石(あせいし)川の沖積地からなる。南北朝期には田舎郡,田舎楯の名がみられ,近世には津軽藩領であった。中心の田舎館には,戦国時代には南部氏配下の千徳氏の居城があった。村域の6割を水田が占め,県下一の良質米の産地として知られ,米の10a当り収量は全国屈指の成績をあげている。浅瀬石川の自然堤防上ではリンゴの栽培も行われている。弥生時代の田舎館遺跡がある。JR奥羽本線が通じ,川都駅からはJR五能線が分岐する。
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