田井保(読み)たいほ

日本歴史地名大系 「田井保」の解説

田井保
たいほ

現三方町田井にあった大炊寮領。文永二年(一二六五)の若狭国惣田数帳写に「便補保所々」の一として「田井保廿三町三反七十二歩」とみえ、肩に付された朱書に「大炊寮領」、末尾に付された朱書に「地頭金子又太郎入道跡、多伊良小太郎(ママ)伝領也」とある。朱書は鎌倉末期のものとされるので、少なくともこれ以前、田井保が大炊寮に便補され、地頭が設置されていたことがわかる。なお多伊良小太郎は同惣田数帳の松永まつなが(現小浜市)に付された末尾の朱書に、地頭多伊良太郎入道の子として現れる。

平安末期以後、大炊寮の長官大炊頭が中原氏の世襲となり、南北朝期における大炊頭中原師守の日記「師守記」に当保関係の記事が散見される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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