日本大百科全書(ニッポニカ) 「田口壮」の意味・わかりやすい解説
田口壮
たぐちそう
(1969― )
プロ野球選手(右投右打)。オリックス・ブルーウェーブ(現オリックス・バファローズ)、大リーグ(メジャー・リーグ)のセントルイス・カージナルスで外野手としてプレー。日本では強肩好守を誇る名外野手だったが、大リーグ挑戦後は貴重な控え選手としてチームに貢献している。
7月2日、兵庫県に生まれる。関西学院大から1992年(平成4)、ドラフト1位でオリックスに入団。1年目は47試合、2年目は31試合の出場にとどまったが、3年目の1994年からレギュラーに定着した。1995年から3年連続してゴールデン・グラブ賞を受賞。イチローとともに1995年のリーグ優勝、96年の日本一に貢献した。打撃では、規定打席以上で打率3割をマークすることはなかったが、守備力は抜群で2000年と01年にもゴールデン・グラブ賞を受賞。2002年にカージナルスへ移籍した。しかし、カージナルスでの出場19試合に対し、AAA級で91試合、AA級26試合とシーズンの大半をマイナー・リーグで過ごすことになった。それでも、9月に再昇格してからはヒットも出るようになり、15打数6安打、打率4割を記録した。2003年も強打者が外野のポジションに座るために出番は代走や交代守備がほとんどで、マイナーでの待機が続いた。2004年はおもに控え選手としてだが109試合と出場機会も増え、ワールド・シリーズの舞台にも立った。2005年は故障がちのレギュラー外野陣の代役として、さらに出番が増え、4年間で最多の143試合に出場して地区優勝に貢献した。
[山下 健]
2006年以降
2006年は134試合に出場し、打率2割6分6厘、ホームラン2本、打点31。先発出場は71試合だったが、ベテランながら貴重な脇役としてチームに貢献。チームも24年ぶりのワールド・シリーズ優勝を飾った。2007年は出場130試合で打率2割9分、ホームラン3本、打点30。2008年からはフィラデルフィア・フィリーズでプレー。
日本での10年間の通算成績は、出場試合1107、安打1134、打率2割7分7、本塁打67、打点404。獲得したおもなタイトルは、ベストナイン1回、ゴールデン・グラブ賞5回。2007年までの大リーグ通算成績は、出場試合578、安打359、打率2割8分3厘、本塁打19、打点154。
[編集部]
『田口壮著、唐沢和也解説『何苦楚日記 Mail from So』(2004・主婦と生活社)』