朝日日本歴史人物事典 「田辺茂啓」の解説
田辺茂啓
生年:元禄1(1688)
江戸中期の長崎地役人。通称八右衛門。功山と号す。享保6(1721)年御用向并御書物役に任ぜられる。明和1(1764)年30年の歳月をかけて編纂した『長崎実録大成』を長崎奉行所に献上した。『長崎実録大成』は天領貿易都市長崎の政治,経済,文化,社会を詳しく述べたもので,長崎地役人という立場を利用して収集した資料を基にしている。同書はさらに茂啓本人によって明和4年分まで書きつがれ,『長崎志正編』全16巻となったが,その後別人の手で『長崎志続編』全13巻が書きつがれた。
(武野要子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報