甲島(読み)かぶとじま

日本歴史地名大系 「甲島」の解説

甲島
かぶとじま

[現在地名]由宇町、広島県大竹市

岩国市藤生ふじゆうの東海上七キロ余の安芸灘に浮ぶ島。面積二四万五千平方メートル。現在その西南二分の一が由宇町に所属。残りは広島県大竹おおたけ市。

玖珂郡志」はこの島を「高廿七八間、廻リ十七八丁、寛文七、海上巡見上使ニハ、東西三丁、南北二丁卅間、西南ノ方周防、東北ノ方安芸領、俗ニ是ヲ鉢割ト云」と記す。中央の山ははちヶ峰とよび、それを分割するゆえに鉢割というと思われる。

近世は由宇村所属というわけではなかったらしく、同書には「由宇組ノ内ナリトテ、海土路辺ヨリ柴草ヲ取ト雖、柱島モ岩国ノ庄ニ属セリ、マシテ甲島・姫ケ子島ハ岩国ノ沖ナル故、岩国ノ属島ナルベケレドモ、柱島、由宇組ノ支配ナレバ」とあり、玖珂組の内として海土路みどろ(現岩国市)辺りから船で渡島したらしい。


甲島
かぶとじま

[現在地名]大竹市小方町小方 甲島、山口県玖珂郡由宇町

阿多田あたた島の南方八キロの海上にある周囲二キロ余の小島。兜島とも書く。島の形状からその名があり、俗に「かぶと鉢割」といわれ、江戸時代は東北半分が安芸国分、西南半分が周防国分で、北西の海上にあるひめ小島(現山口県岩国市)とともに小方おがた村に属した。

広島藩御覚書帖に「御領分島々之内人家無之分」として「小方波田村之内、甲島但此島半分ハ周防領」とみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「甲島」の解説

甲(かぶと)島

広島県大竹市、阿多田島の南方、山口県岩国市の自衛隊岩国航空基地の東沖に位置する無人島。北半分が大竹市、南半分が岩国市に属する。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の甲島の言及

【由宇[町]】より

…町域中央北寄りを由宇川が北東流して瀬戸内海に注ぎ,流域と海岸部に平地がひろがるが,北西部は山地,南部の柳井市との境には銭壺山(540m)があり断層崖となっている。北東海上に浮かぶ甲(かぶと)島は南西部が当町,北東部は広島県大竹市に属する。江戸時代は岩国藩領で,由宇川河口南の八幡山に鎮座する榊八幡宮は,藩主吉川氏代々の崇敬が厚かった。…

※「甲島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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