畠山箕山(読み)はたけやま・きざん

朝日日本歴史人物事典 「畠山箕山」の解説

畠山箕山

没年:宝永1.6.21(1704.7.22)
生年:寛永3(1626)
江戸前期の俳人,鑑定家。本姓藤本通称七郎右衛門,字は盛庸。箕山はその号,法号素仙。京都の裕福な紅屋に生まれ,松永貞徳俳諧を学び,古筆目利を嗜んだ。20歳のころ,京,大坂の廓をはじめとする諸国の遊里の見聞を一書にすることを志し,承応3(1654)年ごろ本宅を処分したのを機に『深秘決談抄』の編集に着手,色道の大祖をもって任じた。これが延宝6(1678)年に成稿をみた『色道大鏡』で,自己の見聞をもとに,疑わしい事柄は古老やその道の達人にただして執筆された,他に類をみない遊里百科事典として知られる。他に『顕伝明名録』などの著がある。

(宇田敏彦)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「畠山箕山」の解説

畠山箕山 はたけやま-きざん

1626-1704 江戸時代前期の俳人,古筆鑑定家。
寛永3年生まれ。古筆了佐に鑑定を,松永貞徳(ていとく)に俳諧(はいかい)をまなぶ。古筆では了因と号した。延宝6年(1678)遊郭百科全書「色道大鏡(しきどうおおかがみ)」を完成させる。宝永元年6月21日死去。79歳。京都出身。本姓は藤本。名は常次。字(あざな)は盛庸。通称は七郎左衛門。別号に哲斎,呑舟軒など。著作はほかに「顕伝明名録」など。
格言など】惣じて物を餝(かざ)り繕うは,初心者,田舎人,物馴れぬ者のする事なり(「色道大鏡」)

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「畠山箕山」の意味・わかりやすい解説

畠山箕山
はたけやまきざん

藤本箕山」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の畠山箕山の言及

【藤本箕山】より

…生涯の過半を色道の樹立と体系化に費やした京都の上層町人。別姓畠山。名は七郎右衛門。字は盛庸。箕山のほかに素仙,琢斎,幻々斎,如幻斎,呑舟軒,了因とも号した。はやく1656年(明暦2)に大坂の遊廓新町の評判記《まさりぐさ》を刊行したが,その後全国的規模の色道百科全書の編述を志し,多年研鑽の成果として,78年(延宝6)近世色道学のバイブルとも称されている奇書《色道大鏡》を述作した。俳諧をたしなみ,古筆目利(鑑定家)としても名高い。…

※「畠山箕山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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