朝日日本歴史人物事典 「畠山箕山」の解説
畠山箕山
生年:寛永3(1626)
江戸前期の俳人,鑑定家。本姓藤本。通称七郎右衛門,字は盛庸。箕山はその号,法号素仙。京都の裕福な紅屋に生まれ,松永貞徳に俳諧を学び,古筆目利を嗜んだ。20歳のころ,京,大坂の廓をはじめとする諸国の遊里の見聞を一書にすることを志し,承応3(1654)年ごろ本宅を処分したのを機に『深秘決談抄』の編集に着手,色道の大祖をもって任じた。これが延宝6(1678)年に成稿をみた『色道大鏡』で,自己の見聞をもとに,疑わしい事柄は古老やその道の達人にただして執筆された,他に類をみない遊里百科事典として知られる。他に『顕伝明名録』などの著がある。
(宇田敏彦)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報