異方(読み)コトカタ

デジタル大辞泉 「異方」の意味・読み・例文・類語

こと‐かた【異方】

別の所。別の方面
「しばし、―にやすらひて参り来む」〈・葵〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「異方」の意味・読み・例文・類語

い‐ほう‥ハウ【異方】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 風俗習慣の違う遠い地方。また、外国。
    1. [初出の実例]「故異方之声無厭」(出典:本朝文粋(1060頃)一四・清慎公奉為村上天皇修諷誦文〈菅原文時〉)
    2. [その他の文献]〔李陵‐答蘇武書〕
  3. 熱や電気の伝導、光の屈折膨張など、物体の物理的性質が方向によって異なること。結晶体の特質としてみられるほか、ゆがんだ物体、電場や磁場に置かれた物体などにもみられる。異方性。

こと‐かた【異方】

  1. 〘 名詞 〙 別の所。別室、または別の家。また、別の人。
    1. [初出の実例]「ことかたより入りて、女房のもとによりて」(出典:枕草子(10C終)九〇)

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