異食症(読み)イショクショウ

百科事典マイペディア 「異食症」の意味・わかりやすい解説

異食症【いしょくしょう】

異嗜(いし)症,あるいは異味症とも。栄養のない紙,土,爪,虫などをくり返し食べたり,同じ食品飲料嗜好の範囲を超えた酢味,辛味などを,極端に偏って食べること。躁鬱(そううつ)病やヒステリーなどの神経障害栄養失調寄生虫症による栄養障害によって生じるほか,軽度のものは,妊娠時にもみられる。また,幼児では,高度の鉄欠乏性貧血のほか,精神発達遅滞,精神障害や脳炎後遺症をもつ場合にみられやすい。
→関連項目摂食障害

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世界大百科事典(旧版)内の異食症の言及

【悪食】より

…つまり,悪食といわれるものは民族的,風土的な通念をはみ出した食事に対して与えられた呼称で,古来さまざまな〈珍怪之食〉が伝えられてきた中国の場合なども,強精長寿を求める人びとの願望に発したものが多い。なお,精神や肉体の変調・異常によって異物を食する場合があるが,これは異味症,異食症などと呼び,いわゆる悪食とは区別される。【西村 潔】。…

【食欲】より

飢え【小野 武年】
【食欲の異常】
 食欲の異常は中枢の破壊によって生じるが,通常みられる食欲の異常は他の原因に基づくものが多い。食欲の異常は量的異常(食欲不振と食欲亢進)と質的異常(異食症)とが区別される。食欲不振は胃腸,肝臓,胆道,膵臓などの疾患,発熱など種々の身体疾患にみられるほか,抑鬱(よくうつ)症,神経症,神経性食思不振症などの精神疾患でも認められる。…

※「異食症」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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