病理診断

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

病理診断

患者の体からとった組織や細胞から作った標本の観察を通して、病気を判断する診断。がんの場合は診断を確定させ、治療方針を決めるために、必要とされている。この診断を専門に行う医師病理医と呼ぶ。

(2019-03-16 朝日新聞 朝刊 福島中会・1地方)

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

病理診断
びょうりしんだん

生体から採取された病変部の組織や細胞を顕微鏡で観察し、疾病の有無や種類、経過などを診断すること。正確には病理学的診断という。生体の組織や細胞を採取し診断するものは生検細胞診などとよばれ、ほかに手術中に術式を最終決定する目的で行われる術中迅速診断や、治療目的の手術などで切除された臓器や組織の病理学的検査、さらに病死した患者に対する病理解剖なども含まれる。病理診断は病理医が行い、その結果は患者の主治医に迅速に伝えられるとともに、手術後の患者への病状説明(ムンテラ)などにも頻繁に用いられる。
 生検は、病変部の組織を試験切除術などにより採取し、生検検査を行ったのちに生検組織診断を行うことで、癌(がん)などに対する治療方針を決定するための確定診断として重要なものである。
 細胞診は細胞診断のことで、癌の集団検診や子宮癌検診などで細胞学的検査によって癌のスクリーニングとして役だてるほか、細い針を刺して吸引する穿刺(せんし)吸引細胞診によって細胞を採取し、癌などの確定診断を行う場合もある。
 術中迅速診断は、術前に生検による病理診断がむずかしい生体内の深部にある病変に対して、手術中に病変組織を採取し、短時間で病理診断を行って結果を報告し、執刀医の迅速な手術方針決定に役だたせる。切除した癌病変の範囲の適切さの確認や転移部位の確認なども同時に行われる。
 病理学的検査は、手術で切除された臓器や組織などの手術材料を検査し、病変の進行度や癌などの性質、病変部を完全に切除できたかどうか、転移の有無などを主治医に報告する。
 病理解剖は剖検ともよばれ、病死した患者の遺体を遺族の承認のもとに解剖し、診断や治療の適切さ、治療効果の確認、死因の究明などを行う。結果は主治医に迅速に伝えられるとともに、遺族に対しても病状説明がなされる。[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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