白菊会(読み)しらぎくかい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「白菊会」の意味・わかりやすい解説

白菊会
しらぎくかい

短歌結社。1903年(明治36)10月、金子薫園(くんえん)がその門人平井晩村、田波御白(みしろ)、吉植(よしうえ)愛剣(庄亮(しょうりょう))、岡稲里(とうり)、武山英子(ひでこ)らと結成したもので、土岐(とき)湖友(善麿(ぜんまろ))も05年に加わる。作品は『読売新聞』『新潮』『白百合(しらゆり)』などに発表した。恋愛を中心とした『明星(みょうじょう)』の浪漫(ろうまん)主義短歌に対して、自然を中心にした叙景歌を主張したところに、この会の意義があった。そのため『明星』からは激しく非難されることが多くあった。05年に薫園が「短歌研究会」を組織したころからその勢力は衰え、翌年末には消滅した。

[藤岡武雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の白菊会の言及

【献体】より

…つまり本人の生前の意思表示が法律的に有効となった。献体の申出をした人々の集まりが白菊会(大学によっては別の名で呼んでいるところもある。たとえば,名古屋大学の不老会,金沢大学のしらゆり会など)という組織で,日本の大部分の医科大学にこの組織があり,96年現在,登録会員は全国で約16万人に及び,実行者数は累計4万6000人に達する。…

※「白菊会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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