日本大百科全書(ニッポニカ) 「皮膚反射」の意味・わかりやすい解説
皮膚反射
ひふはんしゃ
皮膚の刺激によって引き起こされる反射をいう。皮膚および皮下組織には触覚、圧覚、温度感覚、痛覚などの受容器があって、これらからの求心性線維は、いずれも介在ニューロンを経て、運動ニューロンにシナプス接続をしている。皮膚神経に刺激が加えられると、一般的には屈曲反射(屈筋反射)がおこるが、その刺激部位に特有な反射運動がおこることもある。たとえば、足底の皮膚を刺激すると、足指は刺激側(かかとや足底)に向かって曲がるなどである。皮膚反射の働きは、皮膚に接触する外界の物と関連づけて身体運動を反射的に調節することにあるが、同じ皮膚刺激が屈曲反射をおこすか、その部位に特有な反射をおこすかは、主として脳からの信号によって、介在ニューロンのレベルで選択される。
[鳥居鎮夫]