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触覚 しょっかくtactile sense

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

触覚
しょっかく
tactile sense

皮膚または粘膜の表面に何かが軽く接触したときに感じる感覚。その感覚点を触点という。触点の分布舌端四肢末端が最も密で鋭敏である。また,皮膚と粘膜の移行部である唇,肛門周囲,眼瞼 (まぶた) などには特殊な触覚受容器がある。

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デジタル大辞泉の解説

しょっ‐かく〔シヨク‐〕【触覚】

物に触れたときに生じる感覚。

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百科事典マイペディアの解説

触覚【しょっかく】

体表への機械的接触(触刺激)を感受する感覚。魚類側線器官も触覚受容器の一種。ヒトでは皮膚に歪(ひず)みを生じた時に生じ,順応は速い。より持続的で強力な外力を感受する圧覚を区別することもある。

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世界大百科事典 第2版の解説

しょっかく【触覚 tactile sense】

外力による皮膚表面の小さな機械的変形によって生じる感覚。アリストテレスが定義した五感すなわち,視,聴,味,嗅(きゆう),触のひとつである。しかしこの場合の触覚は,温,冷,痛などの皮膚感覚や深部感覚はもとより,他の四つの感覚に属さないすべての感覚を含むものであった。E.ウェーバーはこの中から,より狭い意味での触覚を分離し,残りを一般感覚Gemeingefühlと呼んで区別した。ウェーバーの一般感覚には,痛み,疲れ,飢え,渇き,幸福感,性感などが含まれていた。

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大辞林 第三版の解説

しょっかく【触覚】

皮膚感覚の一。物に触れた時に起こる感覚。加えられる刺激が強力だったり、持続的な場合は圧覚と呼ぶ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

触覚
しょっかく

生体の表面(皮膚や粘膜)に加えられた触刺激によっておこる感覚。圧覚や振動感覚と同一次元のいわゆる「動き受容感覚」の一つである。触覚は機械的刺激の一種である触刺激によって、の動きや皮膚、粘膜に変形とかゆがみといった生体組織の動きが生じたときにおこる。機械的刺激を受容する末梢(まっしょう)性感覚単位(ある刺激を受けて興奮を生じる領域)は、順応が速いか遅いかによって次の3種に分けられる。すなわち、順応の速いものが振動感覚、遅いものが圧覚、中間のものが触覚とされている。しかし、その遅速の境界はかならずしも厳密なものではない。
 触覚を感じるところを触点といい、体表上に点状に分布している。触受容器はいろいろな形状をした神経終末で、その分布密度は手指の皮膚と口唇とにおいてもっとも大きく、体幹の皮膚では小さい。毛包周囲にも触受容器があり、毛は毛包端を支点とする「てこ」のように働くため、毛のかすかな動きもかなり大きな触刺激となる。
 触刺激情報はAβ線維によって伝えられるが、一部はAδ線維、C線維を介しても伝導される。これらの神経線維は、脊髄(せきずい)に入ると後索と前外側索を上行し(前外側索の一部である腹側脊髄視床路を上行するという説もある)、視床の特殊感覚中継核を経て大脳皮質体性感覚野(中心後回)に終わる。後索を上行する情報は、触刺激の加えられた部位、触刺激の形状、触刺激の時間的パターンを認知させるのに対して、前外側索を上行する情報は、局在の悪い、大まかな触覚を伝えるとされる。[市岡正道]

生物界における接触刺激の受容

触覚および圧覚は、化学感覚と並んでもっとも原始的な感覚とされ、接触刺激に対する各種の反応は、生物界全般にわたり広く観察される。原生動物のゾウリムシは、単細胞でありながら、刺激される場所によって異なる反応を示し、前端を機械的に刺激すれば後退し、後端を刺激すればより速く前進する。これは、刺激の加わる部位が前端であれば脱分極性の、後端であれば過分極性の受容器電位が生じ、それぞれ、繊毛打の方向の逆転、または正常方向の繊毛打の頻度増加がおこることによる。また、弱い接触刺激では、繊毛が停止して静止する。下等無脊椎(むせきつい)動物の体表には触受容器である触細胞があり、接触刺激によって種々の反応の解発、または抑制がおこる。ミミズなどが体側を壁に接触させながら前進するのは接触刺激に対する正の走性による。昆虫類に発達する毛状感覚子には、クチクラ壁が厚く基部に弾力に富んだ可動部分をもつものがあって、触毛としての機能をもっている。昆虫の飛翔(ひしょう)行動は、肢(あし)の先端に与えられる接触刺激によって抑制される。
 植物にも接触刺激に反応するものがある。オジギソウなどでは、軽い接触刺激によって葉枕(ようちん)(葉柄の付け根などに生じる肥厚部)の活動電位を伴う膨圧運動が生じる。また、ハエジゴクでは、捕虫葉の表面に感覚毛がある。その基部の受容細胞が刺激に応じて受容器電位を発生し、活動電位が葉の全面に広がって、捕虫運動をおこす。[村上 彰]

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