益田岩船(読み)ますだのいわふね

日本歴史地名大系 「益田岩船」の解説

益田岩船
ますだのいわふね

[現在地名]橿原市南妙法寺町小字石船山

貝吹かいぶき山から東北に派生する尾根上、標高一四〇メートルの高所にある。巨大な花崗岩の上部を富士山形に平滑にし、東と西側は山の斜面にしたがって半分以上は土中に埋まっている。東西の長さ約一一メートル、南北の長さ約八メートル、北側面の高さは約四・七メートルである。石の上面にはほぼ約一・六メートル四方の穴が長軸線に沿って二個、狭い間隔をおいて並び、穴の深さは約一・三メートル。ちょうど角材を立てるのようになっている。石造物全体はよく仕上がっていて、側面はきわめて滑らかに磨かれているが、下方には格子縞のような模様を刻んでいる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の益田岩船の言及

【飛鳥の石造物】より

…奈良県明日香村を中心とし,高取町,橿原市のいわゆる〈飛鳥〉に点在する奇怪な形をした約20個の石造物。仏教美術とは異質にみえ,用途が明らかでないため,〈謎の石〉と呼ばれるが,姿・形から,猿石,人頭石,石人像,亀石,酒舟石,須弥山(しゆみせん)石,益田岩船,立石などと名付けられてきた。例えば〈酒舟石〉は巨石の上面を滑らかにし,円形のくぼみを細長の溝で樹系図状に結んだもので,西の丘陵下に向かって傾斜する。…

※「益田岩船」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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