盤竜類(読み)ばんりゅうるい(英語表記)pelycosaurs

  • Pelycosauria

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

爬虫(はちゅう)綱単弓(たんきゅう)亜綱に属する絶滅目の一つで、大きく発達した頭蓋(とうがい)には原始的部分と特殊化した部分が認められる。古生代ペルム紀(二畳紀)前期の、約2億9900万年~2億7060万年前に栄えた。以前は、杯竜類Cotylosauriaを祖先として出現した初期の爬虫類で、哺乳(ほにゅう)類への進化に至る第一段階を代表するものとしてオフィアコドン亜目Ophiacodontia、肉食性のスフェナコドン亜目Sphenacodontia、草食性のエダフォサウルス亜目Edaphosauriaの三つの亜目があるとされてきた。しかし、1980年代以降に盤竜目は再分類され、カセアサウルス亜目Caseasauria(カセアサウルス類)とエウペリコサウルス亜目Eupelycosauria(真盤竜亜目、エウペリコサウルス類)とに二分された。カセア科、エオシリス科が前者に、オフィアコドン科、スフェナコドン科、エダフォサウルス科、バラノプス科が後者に含まれる。現時点では、盤竜目の祖先は不明とされる。

 カセア科は小形から大形まであり、最大種は全長3.6メートルに及ぶ。胴が太いのは体温維持のための適応といわれる。頭は極端に小さく、鈍重な生物であったらしい。エオシリス科を構成するのは2属のみで、全長1メートル弱。歯は先端の光った円錐(えんすい)形で、犬歯が大きい。オフィアコドン科はまだ地面をはうように歩く肢(あし)の短い爬虫類であった。スフェナコドン科の代表的なものはディメトロドンである。エダフォサウルス科のエダフォサウルスEdaphosaurusは古生代石炭紀後期からペルム紀前期にヨーロッパや北アメリカにいた草食動物で、全長約3メートル。長く上方に伸びた椎骨(ついこつ)の棘(きょく)突起を支えにし帆をかけたように皮膚が広がっていたが、これは、体温調節の役をしていたらしい。バラノプス科はペルム紀初期の2億9900万年前に出現した小形から中形の動物で、最大で1.1メートル。上顎骨(じょうがくこつ)や歯列が長く、歯は後方へカーブする。頭骨の各部がかなり特殊化し、肉食性を示す。

[小畠郁生]

『J・C・マクローリン著、小畠郁生・平野弘道訳『消えた竜』(1982・岩波書店)』『金子隆一著『哺乳類型爬虫類――ヒトの知られざる祖先』(1998・朝日選書)』


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ノーブレスオブリージュ

《「ノブレスオブリージュ」とも》身分の高い者はそれに応じて果たさねばならぬ社会的責任と義務があるという、欧米社会における基本的な道徳観。もとはフランスのことわざで「貴族たるもの、身分にふさわしい振る舞...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android