目近(読み)メヂカ

デジタル大辞泉 「目近」の意味・読み・例文・類語

め‐ぢか【目近】

《「めちか」とも》
目に近いこと。
「こんな大きい―の星を、…見たことがない」〈康成・掌の小説
かなめを骨の末端近くに打った扇。目近の扇。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「目近」の意味・読み・例文・類語

め‐ちか【目近】

  1. ( 「めぢか」とも )
  2. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 目に近いこと。また、そのところ。
      1. [初出の実例]「千石のこめぼね万石のこめぼねめぢかにもちて参りたり」(出典:虎明本狂言・目近籠骨(室町末‐近世初))
    2. めちか(目近)の扇」の略。
      1. [初出の実例]「Mejica(メジカ)〈訳〉特に女性のうちわの一種」(出典日葡辞書(1603‐04))
  3. [ 2 ] 狂言。各流。太郎冠者・次郎冠者の二人が主人の命で、都に目近・籠骨(こめぼね)の扇を買いに行き、詐欺師にだまされて普通の扇を買わされる。戻った二人は主人に要(かなめ)もとが近くて持ちやすいのが目近、骨の数が多いのが籠骨だとしかられるが、詐欺師に教えられた囃子物(はやしもの)をして主人の機嫌を直す。鷺(さぎ)流では「目近籠骨」。「狂言記」では「目近大名」。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android