相互安全保障計画(読み)そうごあんぜんほしょうけいかく(その他表記)Mutual Security Program; MSP

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「相互安全保障計画」の意味・わかりやすい解説

相互安全保障計画
そうごあんぜんほしょうけいかく
Mutual Security Program; MSP

1951年 10月 10日に成立した相互安全保障法MSAに基づくアメリカの対外援助計画。第2次世界大戦後アメリカの対外援助は相互防衛援助法,経済協力法,国際開発法の3つの法律によって行われ,機構も複雑であったが,朝鮮戦争を契機に援助体制を一本化することとし,この計画が発足した。 MSPに基づく援助の種類は,相互防衛援助,開発援助,技術援助,その他となっていたが,その中心をなす相互防衛援助は,軍事援助 (軍用装備,資材などの供与) ,直接軍隊支持 (ラオスカンボジア,ベトナムなどの軍隊に対する援助) ,防衛支持 (被援助国の軍事努力を支持し増強させるための物品役務,財政上の援助) に分れていた。いずれも被援助国に対し,双務協定の形で結んだ軍事的義務の履行と防衛力の増大に努めることを約束させる点に特徴があった。その後 J.ケネディ大統領が 61年9月4日に対外援助法 FAAを成立させるに及んで MSAは失効し,経済援助に重点をおいた新しい計画が発足することになった。

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