県召除目(読み)あがためしのじもく

山川 日本史小辞典 改訂新版 「県召除目」の解説

県召除目
あがためしのじもく

除目のこと。主として外官(げかん)を任命したので県召と称したが,実際には京官もあわせて補任された。除目議は清涼殿に公卿が参集して行われ,執筆(しゅひつ)の大臣が天皇の意をうかがいながら任官者を決め,順次大間書(おおまがき)に記入していく。式日は「年中行事御障子文(みしょうじぶみ)」や「北山抄」が1月9日とするが,現実には1月下旬から2月に行われ,3月以降のこともあった。ふつう3夜にわたり,第1夜に四所籍(ししょのしゃく)や年官(当年給)を,第2夜に年官(未給・国替(くにがえ)・更任(こうにん)・名替(ながえ)),文章生(もんじょうしょう),内舎人労(うどねりのろう),上召使,諸道挙(しょどうのきょ),諸院挙,親王参議以下の兼国,宿官,顕官挙(けんかんのきょ)を,第3夜に院宮内官未給,京官,受領(ずりょう),公卿を任じ,種々の申文(もうしぶみ)(自薦他薦)と勘文(かんもん)が参考資料とされた。議が終わると大間書が奏上され,天皇の確認をへて正式決定となった。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「県召除目」の意味・わかりやすい解説

県召除目
あがためしのじもく

平安時代以降,正月に行われた国司などの地方官を任命する儀式。これに対し,京官任命の儀式を司召除目 (つかさめしのじもく) という。

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百科事典マイペディア 「県召除目」の意味・わかりやすい解説

県召除目【あがためしのじもく】

春の除目とも。正月11〜13日に行われた諸臣任官の行事。→除目

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旺文社日本史事典 三訂版 「県召除目」の解説

県召除目
あがためしのじもく

正月に諸国の国司など地方官を任命した宮廷での年中行事
春の除目ともいう。通常正月下旬から2月に行われ,儀式は3日間にわたった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「県召除目」の意味・わかりやすい解説

県召除目
あがためしのじもく

除目

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世界大百科事典(旧版)内の県召除目の言及

【除目】より

…したがって本来は一定の日を定め(式日という),まとめて任官を行うことはできないはずであるが,実際は奈良時代より,ある程度これが行われていた。そして後になると県召(あがためし)除目,司召(つかさめし)除目の称が見られるようになる。県召除目は外官の任命を中心とするもので,外官除目ともいい,また春除目ともいう。…

※「県召除目」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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