真名井神社(読み)まないじんじや

日本歴史地名大系 「真名井神社」の解説

真名井神社
まないじんじや

[現在地名]松江市山代

茶臼ちやうす山の南東中腹に南面して鎮座する。祭神は伊邪那岐神。旧村社。当社は「出雲国風土記」にみえ意宇おう郡の真名井社、「延喜式」神名帳にみえる同郡四八座のうちの「真名井マナイノ神社」に比定され、境内社の末那為まない社は風土記にみえる同名社に比定される。中世以降伊弉諾いざなぎ社として登場するが、一説に真名井社は現在地の東方にある真名井の滝付近に創建され、のち現在地に伊弉諾社が勧請されたため末社扱いされ、明治初年に伊弉諾社が真名井神社と改称したとされる(「式内社調査報告」など)。なお「雲陽誌」は伊弉諾社の五町東に真名井の滝があり、六町東にある真名井荒神を風土記所載の真名井社とし、「聖岩 伊弉諾本社より三町東に森あり、古老伝に伊弉諾伊弉冊の二神此岩にて神火を取給ふといふ」と記している。風土記にみえる意宇郡真名猪まない池は真名井の滝の北方にある矢田やだ間内まないの池とされる。

伊弉諾社は出雲国衙の管轄下にある出雲国惣社(現六所神社)などと同様、国衙から神田・経田などを与えられていた(建長三年八月日「出雲国司庁宣」千家家文書など)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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