長着(ながぎ)に仕立てるための和服地のこと。鯨尺の1尺は曲尺(かねじゃく)の1尺2寸5分にあたり、38センチメートルであるが、用布量として丈(たけ)2丈6尺、あるいは2丈8尺を必要としていたが、身長が高くなってきたため、3丈を必要とすることになり、メートル法の実施のため、現在は丈約11.4メートル、幅36センチメートルあるいは37センチメートルと表示されている。ただ幅は、各地の伝統的事情により、9寸あるいは9寸5分とするので、それに応じての換算である。加工法により、染着尺、織着尺、繊維により、綿、絹のほか、ウール着尺、化繊着尺、交織着尺などとよんでいるが、これは繊維業界の俗称である。
[角山幸洋]
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…江戸時代に小袖1枚分に要する布地の幅,長さが定まり,これを1反とするようになった。1反の長さは時代によりたびたび改定されたが,現在では着物用の着尺(きじやく)は幅約36cm(並幅(なみはば)),長さは12m内外となっている。鯨尺で3丈物といい,礼装用の4丈物(八掛(はつかけ)付き)と区別する。…
※「着尺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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