反物(読み)タンモノ

  • 反物/▽段物

百科事典マイペディアの解説

おとな用の着物や羽織を1着分仕立てるのに必要な用尺をもつ布地。着物は着尺地(きじゃくじ),羽織は羽尺地(はじゃくじ)といっていくぶん異なるが,着尺地1反は大体布幅36cm(並幅),長さは12m内外あり,2反続きになったのを1疋(ぴき)という。
→関連項目和裁

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世界大百科事典 第2版の解説

和服地の総称。江戸時代に小袖1枚分に要する布地の幅,長さが定まり,これを1反とするようになった。1反の長さは時代によりたびたび改定されたが,現在では着物用の着尺(きじやく)は幅約36cm(並幅(なみはば)),長さは12m内外となっている。鯨尺で3丈物といい,礼装用の4丈物(八掛(はつかけ)付き)と区別する。染め着尺は12.5m,織り着尺やゆかたは11.5mほどが慣例体位の向上もあって男物や女物の一部には40cm近い幅もあらわれた。

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大辞林 第三版の解説

[1][0] 和服・帯・夜具などの一枚分に仕上げた布。目的のものによって長さは異なる。 → 疋物
[0] 和服用の織物。呉服。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

一般に小幅織物の一単位をさしているが、最近では広幅織物を含めたもの、さらには織物の総称として使われるようになった。一単位の内容は、広幅織物では商慣習や輸出の関係もあり、30、40、50ヤール(27.43、36.58、45.72メートル)としており、絹・人絹織物は50ヤール、綿織物は30~50ヤール、梳毛(そもう)織物は50メートル、紡毛織物は30メートル、麻織物は55メートルが標準となっている。小幅織物とくに着尺地では、鯨尺九寸5分(約36センチメートル)、長さ二丈六尺または二丈八尺とし、成人和服用布量を単位としていたが、現在ではメートル法により綿織物では10メートルまたは10.6メートル、絹織物では約11.4メートルを一反としている。現在の身長の伸びぐあい、産地の事情から、11メートルに統一される傾向が強い。
 織物の単位には、疋(ひき)、反、段、端などがあり、なかでも反と段は混同されていて、反は段の字の草体の誤りとするものもあるが、厳密には繊維・織物の種類などによって区分されていた。そのうち疋は絹織物に、段、端は麻織物に使われたが、反は疋物を半分にした単位として現れ、これがしだいに一般化されるようになった。したがって、織物の単位、あるいは贈答品の表示に使われる「一疋」とは、二反をさすことになる。
 反物は普通、板に巻いて1本とするが、着尺地では折り畳み、ボール紙で包装するか、または直径3センチぐらいの棒に巻く。小千谷縮(おぢやちぢみ)などの特別な反物の場合には、芯(しん)なしで巻物とすることもある。[角山幸洋]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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