日本歴史地名大系 「矢並村」の解説 矢並村やなみむら 愛知県:豊田市高橋地区矢並村[現在地名]豊田市矢並町鞍(くら)ヶ池の東に位置し、標高一五〇―二〇〇メートルの山の谷間に細長く開けた村。文久二年(一八六二)の村絵図によると耕地に「本新田畑」という記載が多い。これは谷間に開けた村の特徴であろうか。医王(いおう)寺・松林寺のほかに、薬師堂・八王子・山ノ神が、村の周囲を取巻くように配置されている。中世は高橋(たかはし)庄矢並郷に属する。貞和五年(一三四九)の猿投(さなげ)神社の年中祭礼記(猿投神社文書)に「矢並郷平内大夫入道善阿ニ仰セ付ケラル、善阿先立ツテ瑞夢ヲ蒙リ、辞退ノ思ヒナク、即チ新造ノ謀ヲ廻ラス」とある。これは地頭中条秀長の命を受けて、矢並郷の善阿弥が猿投神社の造営にあたったことを示す。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by