朝日日本歴史人物事典 「石津亮澄」の解説
石津亮澄
生年:安永8(1779)
江戸後期の歌人,国学者。通称并輔。号は富草屋,米居。大坂の人。尾崎雅嘉,本居大平に師事。独自の学を樹立するには至らず,特に私淑した契沖の著書を校訂出版した点に功があり,『漫吟集類題』はその最たるものである。貞柳の狂歌を編集した『柳翁狂歌類題』には,雅俗双方に通じた亮澄の好みが窺える。大坂歌壇で重要な位置にあったが,和歌は各種類題集にみえる程度で,家集は『富草屋集』などの歌稿が若干伝存するのみである。<参考文献>飯田正一「石津亮澄とその歌集」(『国文学』(関西大学)28号)
(久保田啓一)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報