朝日日本歴史人物事典 「石黒信由」の解説
石黒信由
生年:宝暦10(1760)
江戸期の算学者。和算,天文,測量に詳しく,算学は関流の中田高寛に,天文暦学は西村太沖に学んだ。初め与十郎,のちに藤右衛門と称し,高樹と号した。越中国高木村(新湊市)で代々庄屋を務める家に生まれた。加賀(金沢)藩の命により検地や河川の測量,絵図面の製作など藩のために多くの事績をあげ,伊能忠敬の北陸測量に同道して協力をしている。刊本の著書は大洋航海術についての『渡海標的』と算学の『算学鉤致』のみであるが,『測遠要術』ほか測量に関する著書が多く残っており,子孫の著書や蔵書とともに生家の敷地内の書庫に高樹文庫として保存されている。
(内田正男)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報