砦・寨・塁・取出（読み）とりで

精選版 日本国語大辞典

とり‐で【砦・寨・塁・取出】

〘名〙

① 本城の外の要所に設けた小規模な城。木柵などで囲ったもので、内に営兵を置く。戦略攻防上の仮設の城。出城(でじろ)。取出城。〔日葡辞書（1603‐04）〕

※太閤記（1625）一「取出の要害をせさせ給ふべきと」

② 外敵を防ぐために国境、海岸などに築造した建造物。要塞。

※尋常小学読本（1887）〈文部省〉七「俄に海辺にとりでを構へ、備を設けしに」

③ (比喩的に) 自分だけの世界として他人を容れない場所や領域。

※思出の記（1900‐01）〈徳富蘆花〉六「僕の砦塞(トリデ)は未だ壁も乾かず矢間も明かぬに」

出典　精選版 日本国語大辞典