化学辞典 第2版 「硝酸コバルト」の解説
硝酸コバルト(Ⅱ)
ショウサンコバルト
cobalt(Ⅱ) nitrate
Co(NO3)2(182.94).金属コバルト,酸化コバルト,水酸化コバルト(Ⅱ)または炭酸コバルト(Ⅱ)を硝酸に溶かして蒸発濃縮すると六水和物が得られる.六水和物は濃紅色の単斜晶系柱状晶.潮解性で,密度1.88 g cm-3.融点56 ℃.55 ℃ で水3分子を失う.加熱により無水物は得られない.長く加熱するとNO2を放出してCoOになる.水に易溶,多くの有機溶媒に可溶.無水物は液体アンモニア中で,コバルト粉末に硝酸銀を作用させて得られる.淡ばら色の粉末.密度2.49 g cm-3.水に易溶.100~105 ℃ でCoOになる.吹管分析,コバルト顔料の原料,窯業,あぶり出しインキ,毛染,ニッケル水素電池正極添加剤,触媒の原料などに用いられる.[CAS 10141-05-6:Co(NO3)2][CAS 10026-22-9:Co(NO3)2・6H2O]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報