硝酸ウラニル(読み)しょうさんうらにる(英語表記)uranyl nitrate

日本大百科全書(ニッポニカ) 「硝酸ウラニル」の意味・わかりやすい解説

硝酸ウラニル
しょうさんうらにる
uranyl nitrate

ウラン(Ⅵ)に酸化物イオン(オキシド配位子)2個が配位して生成するジオキシドウラン(Ⅵ)、別名ジオキシドウラン(1+)イオンUO2+硝酸塩組成式はUO2(NO3)2、式量394.09。ウラニルはUO2+イオンの慣用名であり、正式名称ではない。無水和物のほかに一、二、三、六水和物があり、六水和物が代表的な六価ウランの塩である。六水和物は黄色柱状または板状結晶で黄緑色の強い蛍光を呈する。60.2℃で自身の結晶水に溶ける。医薬、ガラス工業、写真工業などに用いる。

[岩本振武]


硝酸ウラニル(データノート)
しょうさんうらにるでーたのーと

硝酸ウラニル六水和物
UO2(NO3)2・6H2O
式量502.1
融点60.2℃
沸点118℃
比重2.742
結晶系斜方(直方
溶解度54.4g/100g(水20℃,無水和物として)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「硝酸ウラニル」の意味・わかりやすい解説

硝酸ウラニル
しょうさんウラニル
uranyl nitrate

化学式 UO2(NO3)2 。6水和物は柱状か板状の黄色結晶。砕いたり,こすったりすると著しい摩擦発光を示し,ときに爆発を起す。融点 60℃。水,アルコールエーテルに易溶。水溶液は酸性を呈する。エーテル溶液を太陽光にさらしたまま放置すると爆発を起すことがある。写真用補力液,陶磁器着色剤,分析用試薬などに用いられる。

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