日本大百科全書(ニッポニカ) 「硝酸ウラニル」の意味・わかりやすい解説
硝酸ウラニル
しょうさんうらにる
uranyl nitrate
ウラン(Ⅵ)に酸化物イオン(オキシド配位子)2個が配位して生成するジオキシドウラン(Ⅵ)、別名ジオキシドウラン(1+)イオンUO2+の硝酸塩。組成式はUO2(NO3)2、式量394.09。ウラニルはUO2+イオンの慣用名であり、正式名称ではない。無水和物のほかに一、二、三、六水和物があり、六水和物が代表的な六価ウランの塩である。六水和物は黄色柱状または板状結晶で黄緑色の強い蛍光を呈する。60.2℃で自身の結晶水に溶ける。医薬、ガラス工業、写真工業などに用いる。
[岩本振武]
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