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窒素代謝 ちっそたいしゃ

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大辞林 第三版の解説

ちっそたいしゃ【窒素代謝】

生体における窒素およびその化合物の同化・異化および排出の過程。ある種の細菌は遊離窒素を取り入れて無機化合物に変え、植物は一般に無機窒素化合物を吸収してアミノ酸・タンパク質に合成して用い、動物はこれらの有機窒素化合物を窒素源として利用している。

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(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版の解説

ちっそたいしゃ【窒素代謝 nitrogen metabolism】

生体による窒素および窒素化合物の同化,異化,排出過程の総称。生体構成元素のうちで窒素は生体に含まれる原子の数では水素,酸素,炭素に次いで多いものである。窒素は種々の生物へ取り込まれ,それぞれ特有の生化学的過程を経て,代謝され体外へ出される。このような過程がつなぎ合わされて自然界の窒素の循環が営まれている(図1)。土壌中の窒素化合物は,雨水によって持ち込まれた硝酸塩アンモニウム塩以外は,大部分は死んだ生物に由来する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

窒素代謝
ちっそたいしゃ

窒素、および窒素を含む化合物が、生体内で変換される過程を総称して窒素代謝という。生物が外界から摂取する窒素の形態は生物によって異なり、大気中の分子状窒素を固定して有機窒素化合物を合成する窒素固定生物、硝酸などの無機窒素化合物を同化する植物および細菌類、有機態の窒素化合物しか利用できない動物および一部の微生物などに分けられる。大気中の分子状窒素を利用できる生物は、地中にすむアゾトバクタークロストリジウムなどの細菌類、マメ科植物などの根に共生して根粒を形成する根粒菌、および一部の放線菌、藍藻(らんそう)などに限られている。これらの窒素固定生物は、遊離窒素を直接活性化するニトロゲナーゼのほか、還元のための酵素系をもっている。この窒素固定反応にはモリブデンと鉄が不可欠であり、アンモニアが生成物であるが、この反応において安定な中間物質はまだみいだされていない。
 植物などのように無機態の窒素化合物を利用する生物は、一般に土壌から硝酸態の窒素を摂取する。これは、土壌中のアンモニアが硝化細菌によって、ただちに硝酸まで酸化されるためである。植物の根から吸収された硝酸塩は、硝酸還元系の酵素によってアンモニアに還元される。アンモニアはグルタミン合成酵素によってグルタミンとなり、ついでグルタミン酸合成酵素によってグルタミン酸となる。このアミノ酸から他のアミノ酸が合成され、さらにタンパク質に合成される。細菌や藻類では、このほかにグルタミン酸デヒドロゲナーゼによってアンモニアからグルタミン酸が生成し、これからアミノ酸、タンパク質が合成される。動物などのように有機態の窒素化合物しか利用できない生物は、食物として吸収したアミノ酸などを素材として生物自体に固有のタンパク質を合成する。このように外界の窒素化合物を生体の構成物質に変える過程を窒素同化という。
 一方、生体内の窒素化合物は絶えず代謝され、変換されている。タンパク質はアミノ酸に加水分解され、さらに酸化などの反応によって脱アミノされて分解していく。脱アミノ反応で生成したアンモニアは、植物ではグルタミンやアスパラギンのアミドとなって蓄積されることが多いが、動物ではアンモニアのまま、あるいは尿素や尿酸に変えられてから体外に排出される。細菌のなかには、嫌気的な条件で硝酸を呼吸の電子受容体として硝酸呼吸を行うものや、窒素ガスとして放出する脱窒素作用を行うものもある。また、土壌中に存在する硝化細菌は、好気的条件でアンモニアを硝酸まで酸化して、その際に放出されるエネルギーを用いて炭酸同化を行っている。[吉田精一]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
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