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硝酸水銀 しょうさんすいぎんmercury nitrate

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

硝酸水銀
しょうさんすいぎん
mercury nitrate

(1) 硝酸水銀 (I) ,硝酸第一水銀  Hg2(NO3)2 。冷希硝酸に水銀過剰量を溶かした溶液を濃縮すると,2水和物結晶として析出する。融点 70℃ (一部分解) 。この結晶に光を当てるか,その水溶液を煮沸すると Hg(NO3)2 と Hg に変る。 (2) 硝酸水銀 (II) ,硝酸第二水銀  Hg(NO3)2 。水銀に過剰の濃硝酸を加えて熱し,得られる水溶液を蒸発すれば,無色の1水和物結晶が生成する。潮解性。融点 79℃。多量の水に溶解したり,加熱すると加水分解し,不溶性の塩基性塩を生じる。希酸に可溶。密栓,暗所に保存することが必要。有毒。雷酸水銀 (雷汞) の製造,殺虫剤に用いられる。

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世界大百科事典 第2版の解説

しょうさんすいぎん【硝酸水銀 mercury nitrate】

酸化数IおよびIIの化合物が知られている。
[硝酸水銀(I)]
 化学式Hg2(NO3)2。金属水銀にあまり濃くない不足量の硝酸を数日間作用させると,無色,柱状のHg2(NO3)2・2H2Oが得られる。単斜晶系。風解性がある。比重4.78。結晶中ではH2O-Hg-Hg-OH2の直線構造をなし,水銀の二量体になっている。原子間距離Hg―Hg2.54Å。水溶液中でもこの二量体構造は保たれる。加熱すると70℃で爆発的に分解する。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

硝酸水銀
しょうさんすいぎん
mercury nitrate

水銀の硝酸塩。一価および二価水銀の化合物が知られている。
(1)硝酸水銀() 冷希硝酸に水銀を過剰に溶かし、濃縮すると得られる無色の結晶。強く熱すると爆発する。水によく溶けるが、熱水では分解する。加水分解しやすく、水溶液は酸性。有毒。冷暗所に貯蔵。タンパク分析に用いられる。
(2)硝酸水銀() 水銀に過剰の濃硝酸を加えて熱し、蒸発させると一(半)水和物が得られる。無色潮解性結晶。水によく溶け、熱水では分解する。アンモニア水、アセトンに溶け、エタノール(エチルアルコール)に不溶。有毒。冷暗所に密栓して貯蔵。触媒、酸化剤としての用途がある。[中原勝儼]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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