「日本書紀」欽明天皇元年七月条に「都を倭国の磯城郡の磯城嶋に遷す。仍りて号けて磯城嶋金刺宮とす」とある。「古事記」に「師木嶋宮」、「法王帝説」に「斯貴島宮」、天寿国繍帳に「斯帰斯麻宮」と記す。宮跡の位置について「玉林抄」に「シキ嶋トテハセヘ参レハ山崎ニ小堂アリ、今ハナシ武家入時クツス惣シテシキ嶋トテ一郷ノ処也、今ハアレテナシ、(中略)金刺宮ハ河ノ向ニ竹原アリ、其内ニ小社アリ、此レ欽明天皇ノ内裏ノ跡也」という伝承を載せている。「大和志」に「在金屋村西南初瀬川南」とあり、「大和志料」には「玉林抄」を引用し「三輪村大字金屋ノ東南山崎ノ「シキシマ」ニ
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
…磯城県は4~5世紀ころの成立とみられるが,その地域が中心となって奈良時代の城上(しきのかみ)郡,城下(しきのしも)郡ができる。崇神天皇の磯城瑞籬宮(みずがきのみや),垂仁天皇の纏向珠城宮(まきむくのたまきのみや),景行天皇の纏向日代宮(ひしろのみや),欽明天皇の磯城嶋金刺宮(しきしまのかなさしのみや)などが営まれたことが《日本書紀》にみえ,この地域は磐余(いわれ)地域とともに狭義のヤマトの主要部分を占め,古代の政治・文化の中心であった。埼玉県稲荷山古墳出土の鉄剣銘にみえる〈獲加多支(わかたける)大王〉(雄略天皇)の〈斯鬼宮(しきのみや)〉は大和のシキ地域の宮であるとする説が有力で,雄略天皇の泊瀬朝倉宮(はつせのあさくらのみや)が存在したとみられる地域も含めてシキを考えることもできる。…
※「磯城嶋金刺宮」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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