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社会生理学 しゃかいせいりがく

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

社会生理学
しゃかいせいりがく
physiologie socialeフランス語

社会の外的な形態や構造を研究する社会形態学に対して、社会生活そのものを機能面から考察する社会学の一部門。フランスの社会学者デュルケームによってこのようによばれた。社会を生物有機体に模するところから生まれた用語法といえよう。デュルケームによれば、これは、社会的行為、慣行、およびそれに対応する集合的な観念、感情などを研究する部門であり、広く道徳社会学、宗教社会学、法社会学、言語社会学などを包括するものである。なお、社会生理学の用語はこれに先だってフランスの思想家サン・シモンにもみられ、社会を一個の有機体とみなし、それを研究対象とする実証科学がこのようによばれていた。その内容は明瞭(めいりょう)とはいえないが、のちにコントによって体系づけられる社会学の萌芽(ほうが)形態とみることもできる。[宮島 喬]
『新堀通也著『デュルケーム研究』(1966・文化評論出版)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の社会生理学の言及

【実証主義】より

… サン・シモンは《19世紀の科学的研究の序説》(1808)や《人間科学に関する覚書》(1813)において,従来の社会理論は単なる推測に基づいた独断的で形而上学的なものにすぎないと批判し,これに代えて,経験的現象の背後に神とか究極原因といった超経験的実在を認めず,〈観察された事実〉だけによって理論をつくり,経験的事実の裏づけによって実際に確証された理論こそ〈実証的positif〉で科学的なものとみなされなければならないとした。そして,この見地から,天文学,物理学,化学,生理学という順序で実証的になってきた科学的方法を用いて社会現象を研究し,政治,経済,道徳,宗教などを含むいっさいの人間的・文化的・社会的事象の相互関連性を総合的・統一的に説明すべきであると主張し,それを〈社会生理学〉と命名した。コントはサン・シモンの基本構想を引き継ぎ,さらにいっそう体系化し,《実証哲学講義》全6巻(1830‐42)において〈実証的〉という語を定義し,〈架空〉に対する〈現実〉,〈無用〉に対する〈有用〉,〈不確定〉に対する〈確定〉,〈あいまい〉に対する〈正確〉,〈消極的,否定的〉に対する〈積極的,建設的〉などの特徴をあげた。…

【社会有機体説】より

…社会を生物に見たてて解釈する考えは古代ギリシアからあったが,理論化されたのは19世紀になってからである。サン・シモンは社会を諸個人の単なる集合でなく一つの統合された生きた全体とみ,これを実証的に研究する社会生理学を提唱。その弟子コントは社会有機体l’organisme socialの語を創始し,生物と構成要素の細胞との類比によって社会を超個人的実在であると説き,社会の解剖学的・生理学的研究として社会静学,社会の成長の研究として社会動学を設けた。…

※「社会生理学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

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