社会生活を、その外部的形態である人口の量・密度、集落の構成、交通と交通手段の発達度などとの関連において研究する社会学の一部門。フランスの社会学者デュルケームは、社会の基体をなすものとしてこの形態学的事実を重視した。たとえば、人口密度の増大と諸個人の関係の緊密化とが分業の進展を促すと論じ、オーストラリア先住民における拡散的、凝集的という二つの生活形態の交替を彼らの宗教生活の展開と関連づけて考察している。こうした見方はデュルケーム学派のM・アルバクスやM・モースらに引き継がれていった。モースの『エスキモー社会の季節的変化に関する試論』(1906)はその代表的研究の一つで、エスキモーの社会生活が道徳的、宗教的、法的諸側面において、その基体である集団の成員の数、密度、構成、居住形態などの季節的変化を反映していることを明らかにした。デュルケーム学派は、この社会形態学を社会学の一部門としたが、前記のような意味では、社会学と地理学とを架橋する境界的科学の位置にあるともいえよう。20世紀のアメリカの都市研究において発展をみる人間生態学human ecologyは、都市内の自然地域の研究を重視している点で、事実上、社会形態学の発想と共通するところがある。
[宮島 喬]
『M・モース著、宮本卓也訳『エスキモー社会』(1981・未来社)』
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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