宮島(読み)ミヤジマ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「宮島」の意味・わかりやすい解説

宮島(広島県の旧町名)
みやじま

広島県南西部、佐伯郡(さえきぐん)にあった旧町名(宮島町(ちょう))。現在は廿日市市(はつかいちし)の南東部にあたり、広島湾内の厳島(いつくしま)(宮島)1島からなった。旧宮島町は1950年(昭和25)厳島町(1889年町制)が名称変更して成立。2005年(平成17)廿日市市に編入対岸の宮島口から連絡船で15分の距離にある。また、広島港からも航路が通じる。島の最高所弥山(みせん)(530メートル)北麓(ほくろく)に厳島神社があり、瀬戸内海国立公園の拠点の一つとなっている。全島が特別史跡および特別名勝に指定され、松島、天の橋立とともに日本三景に数えられている。島内には厳島神社のほか、水族館や歴史民俗資料館もある。北東部の包ヶ浦(つつみがうら)は海水浴、キャンプなどの適地で、包ヶ浦自然公園となっている。厳島神社前には門前町が形成され、杓子(しゃくし)や宮島細工などを売る土産(みやげ)物店が並び、観光業に従事する者が多い。夏には宮島管絃(かんげん)祭や水中花火大会が華やかに行われる。なお、厳島神社の建造物群と前面の海、背後の森林とは、1996年(平成8)、世界遺産文化遺産として登録されている(世界文化遺産)。

[北川建次]

『『宮島町史』全3巻(1992~1997・宮島町)』



宮島(厳島)
みやじま

厳島

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百科事典マイペディア 「宮島」の意味・わかりやすい解説

宮島【みやじま】

広島湾の北西部に浮かぶ島(特別史跡・特別名勝)。厳島(いつくしま)ともいい,平清盛の信仰などで知られる日本三景の一つ。花コウ岩からなり,最高点は弥山(みせん)(535m)。廿日市市に属する。北側に厳島神社があり,鳥居前町が発達。島全体が神社地として保護され,弥山原始林(天然記念物)が残る。1996年世界遺産に登録されたほか,海岸線にほぼ手つかずの自然が残されていることが評価され,2012年7月,ラムサール条約湿地にも登録。
→関連項目大野[町]瀬戸内海国立公園広島[県]宮島[町]ラムサール条約

宮島[町]【みやじま】

広島県西部,佐伯郡の旧町。宮島全域を占め,主集落は厳島(いつくしま)神社の鳥居前町として発達。瀬戸内海国立公園の観光中心地の一つで,対岸の宮島口駅から連絡船がある。宮島しゃくしなど木製品を特産。1996年厳島神社が世界遺産条約の文化遺産リストに登録された。2005年11月佐伯郡大野町と廿日市市へ編入。30.39km2。2109人(2003)。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「宮島」の意味・わかりやすい解説

宮島
みやじま

広島県南西部,廿日市市南部の旧町域。広島湾にある厳島(宮島)全域を占める。1889年厳島町として町制。1950年宮島町に改称。2005年廿日市市に編入。古くから信仰の島として知られ,厳島神社の門前町,港町として発展。しゃもじなどの木工細工が伝統工業。日本三景の一つとして知られ,島全体が国の特別史跡,特別名勝。瀬戸内海国立公園の中心的観光地。厳島神社は世界遺産の文化遺産にも登録されており,7月に行なわれる管絃祭には漁民が小船を連ねて参詣する。弥山の原始林は国の天然記念物。厳島神社は『平家納経』ほか多くの国宝を所蔵することでも知られる。

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食器・調理器具がわかる辞典 「宮島」の解説

みやじま【宮島】

しゃもじ。◇「宮島」は広島県廿日市(はつかいち)市の厳島(いつくしま)の別称。しゃもじが宮島の名物であることから。江戸時代の寛政年間(1789-1801)に誓真という僧が弁財天の夢を見て、琵琶の形をうつして考案したと伝えられる。⇒しゃもじ

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事典 日本の地域遺産 「宮島」の解説

宮島

(広島県廿日市市)
ラムサール条約湿地」指定の地域遺産。
砂浜海岸、塩性湿地及び河川、ミヤジマトンボの生息地。国立公園特別地域

宮島

(広島県廿日市市宮島町)
美しき日本―いちどは訪れたい日本の観光遺産」指定の地域遺産。

出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域遺産」事典 日本の地域遺産について 情報

世界大百科事典(旧版)内の宮島の言及

【厳島】より

…広島湾の南西部にある島で,1島1町の宮島町がある。長さ10km,幅3.5kmの北東~南西に細長い紡錐形を呈し,幅1km余りの大野瀬戸で本土に対する。…

※「宮島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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