デジタル大辞泉
「神さびる」の意味・読み・例文・類語
かみ‐さ・びる【神さびる】
[動バ上一][文]かみさ・ぶ[バ上二]
1 古びて神々しく見える。荘厳で神秘的である。かんさびる。「―・びた杜」
2 古びる。年を経ている。かむさぶ。
「をとめごも―・びぬらし天つ袖ふるき世の友よはひ経ぬれば」〈源・少女〉
かん‐さ・びる【神さびる】
[動バ上一][文]かんさ・ぶ[バ上二]「かみさびる」に同じ。「―・びた古代建築」
[補説]古くは「かむさぶ」と表記。
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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かみ‐さ・びる【神さびる】
- 〘 自動詞 バ上一 〙
[ 文語形 ]かみさ・ぶ 〘 自動詞 バ上二段活用 〙 ( 「さぶ」は接尾語 ) - ① 神らしく行動する。神にふさわしい振舞いをする。→かんさぶ。
- ② 神々(こうごう)しい様子を呈する。古色を帯びて神秘的な様子である。古めかしくおごそかである。
- [初出の実例]「難波門(なにはと)を漕ぎ出(で)て見れば可美佐夫流(カミサブル)生駒高嶺に雲そたなびく」(出典:万葉集(8C後)二〇・四三八〇)
- 「宜禰(きね)が袖振る鈴の音幽(かすか)に聞えて神さびたり」(出典:太平記(14C後)九)
- ③ 古風な趣がある。古めかしくなっている。年を経ている。(人間などが)老いている。
- [初出の実例]「いそのかみふりにし恋のかみさびてたたるに我は寝(い)ぞ寝かねつる〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)雑体・一〇二二)
- 「ふる人ども、御前(おまへ)に所得て、かみさびたることども聞え出づ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)藤裏葉)
- ④ 古びて閑静なさまを呈する。荒れてさびしい有様になる。
- [初出の実例]「神さびてふりにしさとにすむ人は都ににほふ花をだにみず」(出典:千里集(894))
- 「Camisabita(カミサビタ) スマイ 〈訳〉さびしく静かなすみか」(出典:日葡辞書(1603‐04))
神さびるの補助注記
「万葉集」では「かむさぶ」がふつうで、「かみさぶ」は挙例が唯一の例である。「かみ(神)」の「み」に「美」が用いられるのは上代特殊仮名遣としても異例。防人の歌でもあり、東国語形とも考えられる。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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