神崎橋(読み)かんざきばし

日本歴史地名大系 「神崎橋」の解説

神崎橋
かんざきばし

加島かしまと神崎川対岸神崎(現兵庫県尼崎市)の間に架けられた橋。「太平記」巻三六(秀詮兄弟討死事)には康安元年(一三六一)九月佐々木秀詮が「神崎ノ橋」を渡って和田・楠木軍と戦って敗れたことがみえ、同書巻三八(和田楠与箕浦次郎左衛門軍事)には翌二年七月、この辺りの合戦で神崎橋の橋桁が焼落ちたことがみえる。この橋がいつごろ架けられたかつまびらかでないが、天正一九年(一五九一)の奥書をもつ富光寺縁起(富光寺蔵)に、建永二年(一二〇七)春、讃岐へ配流される法然が同寺に宿泊し、訪ねて来た神崎の遊女に浄土念仏による来世救済を説いたところ、遊女は罪業を懺悔し、神崎川の橋上から入水、ところが不思議なことにその屍が水上に浮んで逆流したので以後この橋を揺上ゆりあげ橋と号したとの伝説を記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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