朝日日本歴史人物事典 「神津専三郎」の解説
神津専三郎
生年:嘉永5.3.5(1852.4.23)
明治期,日本の音楽教育制度確立に大きな功績を残した音楽教育者。仙三郎とも。信濃国(長野県)生まれ。伊沢修二とアメリカに留学して,ニューヨーク州アルバニー師範学校に2年間学び,明治11(1878)年帰国後は伊沢のもとで音楽取調掛の監事として,伝習生に西洋音楽史を講義したり,教材の翻訳に努めた。同20年音楽取調掛が東京音楽学校へ発展解消後も,同校教授として伊沢校長を助け,音楽教育に尽くした。同29年伊沢が台湾の総督府学務部長に転じると,招かれて学務部編集課長となった。訳書にカルコット著『楽典』,エメリー著『和声学初歩』などがある。台湾で没。
(秋山邦晴)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報