神積寺(読み)じんしやくじ

日本歴史地名大系 「神積寺」の解説

神積寺
じんしやくじ

[現在地名]福崎町東田原

雲津くもづ川の右岸妙徳みようとく山の南にある。妙徳山と号し、天台宗本尊薬師如来円教えんぎよう寺・随願ずいがん(現姫路市)一乗いちじよう寺・普光ふこう(現加西市)八葉はちよう(現香寺町)とともに播磨天台六ヵ寺の一に数えられる古刹。神積山妙徳寺とも記され、正暦二年(九九一)大納言藤原範郷の子慶芳内供が創建したと伝える(「実隆公記」文亀三年七月二八日条など)。範郷の妻は一条天皇・三条天皇の乳母で、当寺は両天皇の勅願所であった。慶芳を継いだ三条天皇の第七皇子覚照の頃は七堂伽藍に五二院を備えていたというが、延慶二年(一三〇九)焼失した(「峯相記」など)。ただし藤原範郷および覚照の存在は確認できない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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