福留村(読み)ふくどめむら

日本歴史地名大系 「福留村」の解説

福留村
ふくどめむら

[現在地名]松任市福留町・福新町ふくしんまち

下柏野しもかしわの村の南に位置。天保郷帳の村名肩書に「古者福富村」とあり、天和二年(一六八二)の当村在住福留組十村間兵衛の署名に「ふくとみ村」とある(改作所旧記)。「皇国地誌」の訓もフクドミ。現在もフクドミともよぶ。正和元年(一三一二)と推定される白山水引神人沙汰進分注文案(三宮古記)に白山本宮水引神人の居住地として「河ヨリ南方 寺井 安宅 福富」とあり、手取川の流路が現在よりかなり北にあったことが知られる。そのため古代には能美のみ山下やました(和名抄)に属したとする説がある。延徳三年(一四九一)三月の冷泉為広「越後下向日記」に「右ニ遠フクドミ ハクサン」とある。天文五年(一五三六)一〇月七日、下津屋三郎左衛門信直は知行分の福富保年貢納入の口添えを本願寺証如に要請、一〇月九日証如はこれに応じている。


福留村
ふくどめむら

[現在地名]加古川市神野町福留かんのちようふくどめ

有増地新うそうじしん村の北、加古新かこしん(現稲美町)の西に位置する。中央部を南東から北西くもり川が流れる。福富村とも記す。応永一六年(一四〇九)九月四日の足利義持御判御教書(赤松春日部文書)では、亡父赤松頼則より譲られた五箇ごか庄福富などの地頭職が赤松満則に安堵されている。慶長六年(一六〇一)福留村と安田やすだ村内の計三〇〇石を安部久介が、計二五〇石を大西五郎左衛門が知行することを認められている(「池田輝政家臣地方知行状」鳥取県立博物館蔵)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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