日本歴史地名大系 「秋田藩家蔵文書」の解説
秋田藩家蔵文書
あきたはんかぞうもんじよ
六一巻
原本 秋田県立図書館
解説 秋田藩が採集・編纂した古文書集。中世から近世に至る佐竹氏とその家臣、関係の社寺等に伝来した文書が集められている。中世の常陸の豪族佐竹氏を中心に、東国の政治の推移、在地の動向を具体的に知ることができる。第四巻の佐竹中務義秀家蔵文書には中務大輔当知行目録が収められている。文禄四年六月に豊臣秀吉は五四万五千八〇〇石の佐竹氏の所領を安堵し、その際佐竹氏の宿老東義久には六万石の知行を直接に保証している。佐竹義宣は翌七月一六日、全領内に知行割を開始し、義久に対し六万石の内訳を郡村ごとに明示した黒印状を発給するが、その臨写本が中務大輔当知行目録である。第七巻の大山弥大夫義次并組下院内給人家臣所蔵文書には佐竹義篤の康安二年の庶子および寺院に対する譲状が載せられており、南北朝時代の佐竹氏の所領を把握することができる。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報