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税制改正の方向 ぜいせいかいせいのほうこう

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知恵蔵2015の解説

税制改正の方向

歳出・歳入一体改革」が本格的に動き始め、歳出削減とともに、消費税増税が既定路線化しつつある。確かに、日本の消費課税の負担率は7.1%(2006年度)と、イギリスの15.0%(03年)、ドイツの14.3%(同)、スウェーデンの18.7%(同)などと比べて低い。ただ日本の場合、個人所得課税の負担率自体が低い(日本-6.6%、イギリス-13.0%、ドイツ-11.5%、スウェーデン-22.0%)。ヨーロッパ諸国は高い個人所得課税を前提に消費課税を引き上げているが、日本はその前提自体がない。 また、現在の「歳出・歳入一体改革」は歳出や歳入の構造を問題にしていないが、本来、財政では「どのような公共サービスを、どのように負担し合うか」が問われる必要がある。日本の歳出構造を02年の対GDP比で見ると、「保健・社会保障」が20.4%と、イギリスの23.2%、フランスの29.0%、ドイツの29.0%に比べて低い。「文化・教育」も4.7%と、イギリスの5.8%、フランスの6.8%、ドイツの4.9%に比べ低い。「経済・公共」だけが7.6%と、イギリスの3.6%、フランスの7.0%、ドイツの5.8%に比べて高い。ヨーロッパでは国民の「生活」を支える公共サービスへの割合が高い歳出構造であるので、国民が広く薄く負担する消費課税の負担率が高い歳入構造なのだが、日本はそうした公共サービスへの歳出が低く、「産業」を支える公共サービスへの割合が高い歳出構造であるにもかかわらず、消費課税の負担率を高める歳入構造に進もうとしている。

(神野直彦 東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授 / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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