稚児物語(読み)チゴモノガタリ

デジタル大辞泉 「稚児物語」の意味・読み・例文・類語

ちご‐ものがたり【稚児物語/児物語】

御伽おとぎ草子で、寺院での稚児僧侶との男色主題としたものの総称。「秋夜長物語」「あしびき」「松帆浦物語」「稚児観音縁起」など。

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精選版 日本国語大辞典 「稚児物語」の意味・読み・例文・類語

ちご‐ものがたり【稚児物語】

  1. 〘 名詞 〙 中世の物語草子の類で、稚児主人公とし、舞台を寺院に求めた作品群の総称。大田南畝編「児物語部類」によって一般化した名称という。多くは僧侶と稚児の同性間の悲恋を主題とする。「秋の夜の長物語」「幻夢物語」「鳥部山物語」などが代表作。

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世界大百科事典(旧版)内の稚児物語の言及

【男色物】より

…鎌倉から室町時代以降になると,どちらかといえば公家僧房に限定されていた男色が新興武士階級にも広がって,正面から男色を文学のテーマとして取りあげるようになる。《秋夜長物語》《あしひき》《嵯峨物語》《鳥辺山物語》《弁の草紙》など従来の中世物語の形式に,仏道とからんだ形で稚児との性愛=男色が織り込まれた物語が流行し,文字どおりジャンルとして稚児物語が成立した。稚児愛の経済的有効性から,田楽等の芸能者集団は花形としての稚児を抱え,稚児の人気が集団の人気を左右するようになった。…

※「稚児物語」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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